お店と女性の利益の方向性を一致させる、これが最強
10年後の未来をピタリと当てることは誰もできない。しかし、少し先の未来を想像することはそんなに難しいことだろうか。
女性のオーダーに応じることは、同時にお店の損失になりうる、という話をしました。
⇒参照 優秀なスカウトは女性の気持ちが分かる、だけどそれだけのレベルは沢山いる
では、お店の利益を優先して、頭ごなしに女性のオーダーにNoを言うことだけが正解なのでしょうか。
「今回だけだよ」という特別
例えば女性より「同伴時間が間に合わないから遅刻をとらないでほしい」というオーダーがあったとします。このケースでは、多くの場合でお客様都合の要素が強いというのもありますし、今回だけという言葉を添えて遅刻を免除と判断するケースもあるのではないでしょうか。ここでは、女性にとっては遅刻が免除となれば短期的には利益です。
ここで視点を変えてみます。遅刻免除となった女性はこう思うかもしれません。「お客様都合での遅刻は免除してもらえる」そして次の同じような機会でこう言うわけです。「前回は免除してもらえたのに」こうなると、ちょっと厄介です。その女性の中では常識となってしまったこの事実、他の環境では異なることも多いです。他のお店に移籍した後に、恥をかいたり変な目でみられたりする可能性もあります。私はそれが特別なことと理解しているから、と主張する女性も沢山いますが、今の環境における気がついてない小さい特別は実は沢山あるものです。そして、人間の脳みそは一度楽な環境(短期的には利益が大きい環境)に慣れてしまうと、そうではない環境に慣れるには相当なストレスがかかります。病みます。
短期的利益と長期的利益は実は結構異なる
上記のケースでいくと、女性にとって
「免除してもらえる」⇒短期的利益
「変な常識を覚える」⇒長期的損失
となります。このように短期的利益と長期的利益が矛盾することは大いにあります。
利益をお店の視点からみてみると両方損
上記のケースをお店の視点からみてみます。
「免除する」⇒コスト増⇒短期的損失
「変な常識を覚えさせる」⇒利益でも損失でもないが、誰も得していない
どのみち損してます。最悪です。
お店と女性が両方得する選択肢は?
「免除しない」です。この選択肢であれば、
女性視点⇒「常識を学べる」⇒長期的利益
お店視点⇒短期的かつ長期的利益
となります。最も利益が大きくなりますよね。
※ちなみに誤解が無いようにお伝えしますが、今回は分かりやすい例として同伴時間を挙げただけのので、諸事情より女性の遅刻を免除してあげることは、その事情により柔軟に対応してあげるのが最も良いです。ただ、同時に、「いかなる理由があっても遅刻は遅刻」という常識はしつこいくらいに伝えた方が良いでしょう。
短期的利益と長期的利益の優劣
間違いなく長期的利益です。短期的利益と長期的利益の選択肢が現れた場合、絶対に長期的利益を優先するべきです。なぜなら、今この瞬間の利益なんてあなたの人生を少しだけよくするかもしれないツールの一つにすぎず、長期的に人生を大きく改善する可能性に比べれば、蟻のようにとっても小さなものだからです。例えば、1回だけ10万もらえるのと、月の給料のベースが2万上がる、だったら後者の方が絶対良いですよね。いやおれは10万を、と思う人がいたとしたらそんなつまらない考え方はすぐ捨てた方が良いです。
長期的利益を考えるためには常に少し未来を考える
常に自分の1ヵ月後、半年後、1年後の少し未来のイメージをもって考えるべきです。これは、そのイメージから逆算して今の行動を決めれるという効果もありますが、もう一つ強力な効果があります。それは、目の前の小さなことに悩みづらくなります。悩むことは考えている証拠なので、とても大事なことです。ただ、生きているととんでもない数の悩みに遭遇します。そのほとんどが、半年後に振り返れば覚えてないくらい小さなことではないでしょうか。その悩み全てに使う時間が勿体ないです。時間はお金と同じくらい重要です。
人の少し未来も考える、そしてアドバイスする
自分の未来を考えることと同時に、あたたの関わる人達の未来、長期的利益はなんなのかを考えてみてはいかがでしょうか。人に何かアドバイスする際に、短期的利益視点と長期的利益視点で考えた時に全く異なるアドバイスなることに気がつくはずです。そして、いかなる時でもその人の長期利益を優先するべきです。いざやってみると、確かに今まで長期的利益視点をあまり持っていない人にアドバイスすると、きっとピンときてんだろうなぁと感じることは沢山あります。それでも言い続ける。いつか伝わるだろうと祈りながら。
結局、信頼関係ってどれだけその人の人生のことを考えられるか
自分だとして考えみて下さい。あなたが心から信頼できる人って、目先の利益をもたらしてくれる人ではなく、あなたの人生をわが身のように考えてくれる人ではないでしょうか。ちなみに、目先の利益にこだわる人ってよく人を裏切りますよ。というか、その人にとっての人との関わりって利益しかないので、あなたが利益を生む対象から外れた瞬間にそっぽ向きます。それはその人にとって利益関係が常識なので、裏切るという概念ですらないかもしれませんが。逆に、その信頼関係さえあれば、少々不利益なことがあったとしても、ミスがあったとしても、だいたい問題になりません。
お店と女性の利益の方向性を一致させる
上記のような、お店の利益と女性の長期的利益が一致するケースはとても多いです。お店にとってもあなたは利益を追求する人なわけでですから必要不可欠な存在となります。また女性にとってもあなたは長期的利益、つまりは人生に対してアドバイスをしてくれる人なわけですから、必要不可欠な存在となります。全員得です。
10年後の未来をピタリと当てることは誰もできない。しかし、少し先の未来を想像することはそんなに難しいことだろうか。
お店は生き物です。そこに携わる人次第ですぐに良くも悪くもなります。
もしお店の女性やスタッフが全員長期的利益を目指して仕事に取り組んだとしたら、間違くなく良いお店になります。そして絶対楽しいお店になります。
そんなお店を皆さんも目指しませんか。