優秀なスカウトは女性の気持ちが分かる、だけどそれだけのレベルは沢山いる
その結果を得るに至った、理由や考え悩んだことの全てを記しなさい
当たり前のことを言うようですが、給料は高い方が良いでしょうし、役職もより高いにこしたことありません。お店で活躍するような女性をスカウトすることが、出世の最速かつ最短の方法であることは言うまでもありません。それが、お店の売上や利益に直結するからです。
「おれが入店させた女性」が口癖
一定以上実績のあるスカウトは、概して店内での影響力があります。そして、特に自分が入店させた女性については、もはや自分の所有権かのように振る舞ったりする人も沢山いますよね。でも、まずその女性に給料払ってるのはお店です。そして、そもそもスカウトするときだって、お店の評判やバックボーンを利用してスカウトしています。女性は口に出さなくても、必ずそれを大いに踏まえて判断しています。要は、決してあなただけの力ではないので、ましてや所有権など主張できるはずもありません。
一人でその女性を満足させるのは絶対無理
そして入店した後も、その女性が気持ちよく働けるため、もしくはその女性のお客様に喜んでもらえるため、ホールスタッフやチーフやキャッシャーの方、全員で力を合わせてサービスしています。いやそれが仕事、というのは事実ですが、よく考えて下さい。人には決まったキャパシティがあり、大概その中で優先順位を決めて仕事をしています。優先順位を決めなければ、すぐにキャパオーバーになるだけです。みんなに助けてもらって己のスカウトが成立している、という意識が無ければ、周囲の方全員協力なんてしてくれるわけありません。そして、これは良くないことですが、あなたに協力しない=あなたが所有権と主張している女性にも協力しない、ということにもなりがちです。
スカウトは女性寄りになりがち
スカウトは良い女性をお店に入店させるのが一番の仕事。そのためには、女性の意向をくみ取り、時にはその意向を少々無茶でもお店に押し通す時もあるでしょう。そのため、それを繰り返していると、女性の意向をくみ取るだけに意識がいってしまい、最悪の場合、不都合なことを隠したり、のような問題が生じることがしばしばあります。
女性の入店はゴールではなくスタート
女性に良いことばかり伝えて入店した結果、話が全く違った。よくある話です。こうなると、お店からも女性からも話が違うじゃん、全然売上ないじゃん、終電上りなんて聞いてない、のような不毛な不信感だけ募り、誰も得しません。確かに女性を入店してもらうために、時には甘い条件も必要な時はあるでしょう。しかしやはり入店した後のイメージを明確にした上で話をきっちりしておくべきです。スカウトの最も重要な仕事は、その女性を入店させることではなく、その女性が気持ちよく働ける条件や設定をお店と合意したうえで、女性のためにスタートラインを用意することです。
どうやったらその女性にとって働きやすい環境となりうるか
女性に気持ちよく働けるスタートラインを用意する、と言っても前提としてそのお店のカラーやルールに最低限即した範囲内でなければいけません。これは、厳しくするべきとかそういう意味だけではなく、これを無視すると単純にその女性が追々働きづらくなることが往々にしてあります。なぜならば、そのお店の既存の女性はそのカラーやルールの中で働いており、それとは異なる認識で入店してしまうと必ず浮くからです。既存の女性達にとって、あなたのスカウトした女性の入店条件なんて全く関係ありません。チームプレーが大事なクラブにとって、浮くことは致命傷になりかねません。
お店全体のコストとバランスの管理を考える
「女性給料」=「お店の損失」
「女性の少々無茶な要望を通して得をする」=「お店かスタッフか他の女性の誰かが損をする、何かかしらの不具合を生む」
なんだかドライな話ですが、事実です。お店は一つで、いろんな人が絶妙なバランスで共存しています。実は、女性を入店させることに長けていても、この感覚が薄い人が結構います。何にせよ、お店が利益が出て、経営者、スタッフ、女性達のバランスが取れた状態を全ての関わる人が目指さない限り、中長期的な安定した利益は望めません。
スカウトの能力も中長期的な利益のための一つに武器にすぎない
あなたが黒服とし上を目指すならば、まずは雇われの社長を目指すことでしょう。これはある程度キャリアを積めば分かると思いますが、銀座のクラブで社長となることはそこまで難しいことではありません。でも、社長として継続的に安定した利益を保っていくことはとても難しいです。社長となることはゴールではなく、スタートです。確かに、銀座内でスカウト能力だけで出世して社長となった方もいるとは思いますが、断言します。ロクなお店になりません。お店のバランスが崩壊し、早々に潰れるか、賢明なオーナーならばクビにするでしょう。よく、社長になったら考えるよ、と言う人がいますが、人間の脳はそう都合よくできておりません。染みついた感覚、特にそこに成功体験(ここでいうとスカウトとしての実績)が伴ってきた場合、感覚を変えていくのは結相当なストレスとなります。
その結果を得るに至った、理由や考え悩んだことの全てを記しなさい
スカウトはよほど不向きではない限り、絶対にするべきです。給料に直結しますし、この商売で必要不可欠なスキルも早く学べます。しかし、その考え方を一度間違うと、感覚の大きなずれを引き起こし、自分で自分の未来の選択肢を潰しかねない危険を孕みます。スカウトの結果にこだわるのは大事、だけど次なる目標のためにスカウトから何を学べるかの方がよっぽど大事なのではないでしょうか。
折角スカウト能力があるのに、その他大勢のスカウトと同じでは勿体なくないですか。目指すべきは、スカウト能力が高い黒服ではなく、経営能力が高くスカウト能力も高い役員ではないですか。
ちなみに、自分でこの記事を書いていて、まるで昔スカウトにいじめられた人のようだなと思いましたが笑
自分でいうのも何ですが、私も完全にスカウトの力で出世しました。しかもかなりのスピードで。その分沢山の失敗もしましたし今でも失敗し続けています。その失敗を糧にしてこのメッセージを書いています。
今のあなたがどういった感覚で仕事に取り組まれているか、その感覚は実は大して重要ではありません。最も重要なのは、1ヶ月後、半年後の少し未来のあなたの感覚がどうなっているかということ。そして、少し未来のあなたの行動を決めれるのはあなただけです。
尚、スカウトのやり方や技術論ついてはこちらでは記載しておりませんので、是非直接ご相談下さい。