人を紹介する技術で席の盛り上がり方はほぼ決まる
人は分かっていないと思っている自分は、人を分かろうとしているだろうか
自分のお客さんに女性や担当黒服を紹介する場面は多いでしょう。自分以外の女性やお店のことを気に入ってもらうことは、そのお客さんの来店頻度を上げるために必ず必要なことです。しかし、紹介してもらったのは良いが、それが無口なお客さんだったりした場合に、なかなか初見で場を盛り上げるのは難しかったりします。そんな時、紹介される立場に立って、よりやりやすいような紹介ができれば、その後席が盛り上がりやすくなるに決まっています。
5秒でその人を紹介できる分かりやすさ
人を紹介する際に、まずはその人のことを5秒で紹介できること、それが最も分かりやすく伝わりやすい紹介です。5秒ということはせいぜい2フレーズ。その2フレーズの中に、少しでもそのお客さんに共通するものをねじ込めるか、或いは、キャッチ―なフレーズをねじ込めるか。これができるかできないかで、勝負は決まります。
共通
これは人の心理的に、共通の話題があればもれなく盛り上げりますし、共通の感覚をもっていれば、お互いに好感を持ちやすくなるというもの。使わない手はありません。良くあるのが、「ゴルフ」「好きな食べ物」「好きな酒」「麻雀」「出身地」等々。あまりネガティブ要素が入っていなければ何でも良いでしょう。
キャッチ―なフレーズ
とにかく分かりやすい、ホステスっぽくないギャップ、そして少し変わったものが良いでしょう。例えば、「実は有名大学卒」「こう見えて水商売初めて」「元丸の内OL」「大人っぽいけど実は20歳」「元トラック運転手」等々。何でも良いですが、その話題で盛り上がってしまった場合のことを踏まえ、実際にその人が経験していたことにする必要があります。
「こんな性格」のような人それぞれ捉え方が違うものは分かりづらい
「この人は性格が良い」「この人にお世話になっている」「この人は仕事ができる」「美人」のような、曖昧で人によって評価基準が分かれるものは非常に伝わり辛いです。伝わり辛いということは、記憶には残りません。分かりやすく、一言から二言で話せる内容を伝え、印象にとにかく残さなければなりません。
お客さんの立場で考えてみると
1件クラブに行けば、だいたい5人前後の女性と話します。内2人が新しい女性だとしましょう。1日3件クラブ周る人は、2人×3件=6人。さらに、週に2回飲みに出ると、6人×2回/週=12人。実に、月にすると48人の女性と知り合うわけです。言うまでもなく、絶対覚えきれません。よほど見た目がドストライクであれば別でしょうが、飲みなれてお目が高いお客様にとってそんなことは稀です。つまり、我々が想定している以上にお客様は忘れている、そしてその中でも覚えてもらえるように強い印象を残す必要があるわけです。
分かりやすいフレーズがさらなる紹介を呼ぶ
新規のお客様が原則来られないクラブ業において、お客様からのお客様のご紹介はとても重要です。継続的に売れている人は、紹介されるのが皆上手です。あなたが通っているお店を友人に紹介する場面を思い浮かべて下さい。あなたは通っているお店ですから、そのお店の魅力を知っているでしょう。しかし、「面白い女性がいるお店だから」と言うだけでその魅力は伝わりません。こんな時、例えば「政治家を目指していて面白い女性がいるお店だから」という分かりやすいフレーズがあれば、当然魅力も伝わりやすいに決まっています。皆さんが紹介を分かりやすくこだわることによって、お客様自身がまた語りやすく紹介しやすい環境となってきます。
みんなの情報を、「人に紹介するとしたら?」という視点でアンテナを張る
この紹介の技術の前提条件として、あなた自身が皆の情報を知っている必要があります。
なかなかあなたの力だけで情報を集めきるのは無理でしょうから、担当さんやお店の協力が必要不可欠です。しかし、まずは「人に紹介するとしたら?」という視点を常に持ち、アンテナを張り続けることが第一優先事項です。
アンテナを張っている情報しか頭に残らない
人間の脳みそはアンテナを張っていない情報については、頭に残らない構造となっています。限られた脳みそのキャパシティの中で、膨大な情報量を取捨選択する機能といえます。とにかく、アンテナを張ること。これによって、同じ空間で同じ時間を過ごしても、頭に残る情報の量と質が圧倒的に変わります。
人は分かっていないと思っている自分は、人を分かろうとしているだろうか
紹介がうまい人は、紹介されるが上手です。そして、紹介がうまい人は、自分のことをアピールすることが上手です。折角内容がとても良いものでも、伝わらなければ全くの無意味。情報過多な時代だからこそ、「短く分かりやすく」に常にこだわるべきではないでしょうか。