「継続は力なり」を統計学っぽい考え方から説明してみる
愚者は「聞いて」満足する。賢者は「考えて」満足する
よく耳にするこの言葉。その意味について皆さんは考えたことありますか。人によって解釈の違いはあれど、だいたい「成功するためには継続が必要」のような意味合いではないでしょうか。我々はこの言葉は、より細かく解釈することによって、より実用的なものになると考えています。
その前にまずは「統計っぽい」考え方
「統計」と聞くと皆さん、頭が痛くなる人もいるかもしれません。でも私どもは学者や先生ではないので、あくまで「統計っぽいこと」しか伝えませんので安心してください。実は皆さんも日々統計に囲まれ続けて生きており、ほぼすべての判断を「統計の偏り」に基づいて意思決定しています。例えば、あなたが銀座クラブのお店を探しているとします。ある時、お客様が「A店っていつも暇そうでやばいよね」と言ってました。きっと頭の中ではそのイメージが頭に残り、あの店はやばいと思います。そしてお店を何となく移籍の候補から外したりしたことありますよね。ここで統計的なことを考えみます。
はたしてそのお客様は何回A店に行って何回暇そうだったのか
おそらく、せいぜい2回位だと思います。そもそも、暇そうなんだよなという発言をしている時点であまりA店には良い印象はなさそうですよね。多分もっと多く通っている可能性は低いと思います。ということは、来店2/2でA店は暇だったということとなりますし、お客様にとっては確率100%で暇だったということとなります。
人の印象って実は相当あやふや
例えば、スポーツの話。いつ見ても勝ってるなぁという印象があるチームってありますよね。だいたい順位表を見ると、もちろん1位ではありますが、勝率って実は6割5分くらだったりします。つまり、人の脳みそって、6割5分を超えてくるあたりから「だいたいいつも勝ってる」、7割なんて超えてくると「必ず勝ってる」と印象付けられます。でも冷静に考えると、6割5分って10回あったら3回~4回負けてます。案外負けてるなって思いませんか。
しかもその勝ち負けはは大いに偏る
1位で勝率6割5分のチームだって連敗します。しかもまあまあ頻繁に。普段あまりテレビを見ないあなたが、3日連続で見たニュースでそのチームが3連敗していたとしたら。おそらくあなたはこのチームは、「なんだこのチーム、最弱だな」と思うでしょう。
基本忙しいお店でも暇なタイミングは必ずある
1日中暇な日もあれば、同伴時間はやたら暇なのに22時頃から急に込みだして、結果的に25組お客様が入りました、なんて日沢山あります。
「2回行って2回暇だった」という真実
先ほどの、他店へ飲みに行っていたお客様の話に戻りますが、結論「2/2で暇だった」という事実は、はっきりいって情報として信憑性ゼロです。もちろん、そう仰るお客様は一つの会話のネタとしてイメージを言っているだけなので、嘘つきとかそういう話ではありません。というか、暇そうだったとはいう事実とは別に、何か面白くないことがあった可能性も高いのではと思います。
仮にこれが「10回行って6回暇だった」であるとするならば
十分に信頼の足る情報だと思います。おそらくそのお店は基本暇なお店なのでしょう。しかしここで大きな問題が発生します。誰がわざわざ10回来店して暇だった回数をカウントして、それを信憑性のある情報だと伝えてくれるか問題。これは相当難しい話ですよね、というか現実的にこの情報の集め方は不可能でしょう。
世の中、これは良い悪いを判断するのが早すぎる
例えば、あなたがお客様へ渡すお土産を悩んだあげく、時間と手間をかけてこだわったお菓子を発見したとします。それを実際に使用したとこと、2名連続であまり反応が良くありませんでした。何なら1人に渡してみて反応良くなくても同じきっと同じです。十中八九、あなたはそれを今後使用しないでしょう。そして、周囲にも「あのお菓子はだめ」と言うはずです。しかし思い出してください。どんな強いチームだって2連敗くらい普通にします。1回から2回結果が芳しくなかった程度で、その物を使えないと判断するのどう考えても早すぎます。
そして噂は広まり、結果ありきたりな物に行きつく
その話を聞いた周囲の人は、何ならその商品を一度も使いもせず、また周囲の人に、「あのお菓子は美味しくないらしい」と漏らします。もうこうなったら止まりません。世の中、情報の出どころはどこなのか、どのくらい使ってダメだったのか、なんてことがさっぱり分からない情報ばかりです。結果、そのよく分からない情報の中で何となく良いとされているお土産をみんなこぞって使います。だからお客さんはいっつも同じようなお土産を手に持っています。本当によく見かけます。これって、せっかく自腹切って感謝の気持ちを伝えたのに、その気持ちどのくらい伝わっているのでしょうか。
自分でこだわって見つけ、何度か継続して使ってみたものがあなたの個性になる
折角時間と手間をかけて見つけたあなたらしいお菓子ですから、何度か使ってみた方が良いですよ。もし10人に使って、7人「いいね!」と言ってくれたら、それはあなただけの今後の強い武器となります。あなたお個性になります。また、いざ使ってみた結果、あまり反応が芳しくなかったとしても、それはそれでよい勉強となります。なぜなら、あなたはそのお菓子をそれなりの理由を考えて選んだわけですから、ダメだった理由を理解します。それがかなり重要です。よく分からない情報の何となく良い物を使って結果ダメだった場合、ダメだった理由もさっぱり分かりません。非常に無駄な金と時間です。
継続は力なり
「継続は力なり」とは、「継続するれば必ず良い結果をもたらす」という意味ではありません。継続したとて結果としては普通に裏切ります。しかし、よく分からない情報に囲まれている世の中で生きている我々にとって、継続して、自分の手で何度か試してその結果を判定してみないことには、は何も一つ生まれません、何も見えません、何も学びません。そこにあるのはよく分からない情報を次から次へ実験のように試していく、終わりのないギャンブルです。
愚者は「聞いて」満足する。賢者は「考えて」満足する
お土産の話でなくても、一定のルールを設けてそれをただ繰り返すだけですので、小さなことでも何でも良いんです。
例えば、私が以前やってみたことが、お客さんを100人ずつ2グループにランダムに分けて、Aグループは13時頃にライン、Bグループは16時頃にラインする。内容はその時々ですがほぼコピペです。これを3ヶ月やってみました。結果、Aグループの方が倍近い確率で来店増えました。確かに、営業するなら昼位にするのが一番良いというのは割と言われることですが、当時の私はそれを知らなかったんです、、、結果自分の手で知れてよかったですが。
見た目を綺麗にしなきゃ、とか会話を広げるためにニュース見なきゃ、とか色々と大事なことはありますが、たまにはこんな切り口の考え方も面白いですよ。是非試してみて下さい。