銀座高級クラブのお客様の層について考える
人は鏡
銀座は日本の重要な文化であるといえる所以は、その客層の良さにあるといえます。客層が良い、とは合法的な事業からの収益より飲食代を支払っており、銀座の特殊なマナーを最低限知っている方、と定義します。
やっぱり銀座は銀座
事実お客様は社会的地位の高い方が圧倒的に多く、私も普通に生きていたら一生お会いできることのなかったであろう方と一緒に飲まさせて頂くことも多々ありました。その出会いこそが、お金を稼ぐ以上に価値のあるものではないでしょうか。
客層は明らかに変化してきている
しかしながら、昨今銀座も客層が落ちたとよく耳にします。確かに、コロナ後接待ができないので、大手企業の役員の方々は飲みに出れなくなったのは事実ですし、確かに銀座の特殊な飲み方をあまりご存じないお客様も増えた実感はあります。(それでも他の街に比べれば客層は圧倒的に良いと思いますが)その理由は2つと考えております。
①そもそも銀座のクラブの飲み方のマナーはかなり特殊であり、それを誰かから教わらないとないと知ることは相当難しいです。だいたいのお客様は、若かりし頃に上司に銀座連れてきてもらって飲み方を教わってきたと言います。言わば文化の伝承ですよね。しかし、やや若めなお客様は、誰からも教わったことなく自己流で飲んでいるゆえ、そこにギャップが生まれている
②店舗側のサービスがその飲み方の文化に応じられていない
①については我々にとってはどうしよもありません。皆さんどうか伝承してくださいと願うことしかできません。しかし、私どもが懸念しているのは②にあります。
人間だれしも高いお金を払うならばその価値を考える
そもそも銀座の飲み方の文化とは、一定以上のサービス(秘匿性含む)と引き換えに、決まったマナーの中で決まった金額を支払うというものです。では、昨今の銀座の店舗、スタッフ、ホステスが『一定以上のサービス』を提供できているといえるでしょうか。私は、私自身の実力を含めてそうは思いません。そもそも、クラブはどこのお店もほとんど料金に差が無いので、まるでその料金が当たり前のように扱われていますが、冷静に考えて死ぬほど高いですよね。本当にその料金の価値を理解しているでしょうか。はっきり言って、少なくともただ自分はいい女だから座って笑っているだけでその金額に十分見合ってるでしょと思っている方、すぐ銀座辞めて地方のキャバクラから勉強し直した方が良いです。多分すぐにはナンバーワンになれないと思いますよ。みんな一生懸命努力してますから。
カジュアルなお店は時代に即している
銀座のクラブでも秘匿性を無視したあまり客層にもこだわらないカジュアルなお店がありますが、いわばそれも時代の流れ、新たなニーズに即したものでしょうから、経営判断としては正解の一つだと思います。ただ、それを全面的に許容するならば、潔くクラブではなくキャバクラと屋号を変えた方が分かりやすいのではないかと思います。
銀座のクラブというブランドは幻想
銀座のクラブは高い料金を払って、少々面倒くらいルールを守って飲む場所です。普通に考えたらそりゃ飲みにきませんよね。今のまま銀座の価値があやふやな人が増えていったとしたら、銀座だからという理由だけでお客さんが途切れないという幻想の終焉はもう目の前です。危機感をもった方が良いです。
銀座のクラブを謳うなら、銀座のクラブであり続けることを目指したい
私どもは銀座高級クラブは日本の重要な文化であり守るべきものであると考えております。
だからこその文化、ブランドを守るために、まずは働く一人一人がまずは銀座のクラブであることを自覚して、何が銀座のクラブの価値なのかを考える必要があります。
人は鏡
銀座は客層が落ちたと文句を言うこと、それは同時に銀座のサービスが落ちたと言っていると同じことです。そもそも自分自身のサービスが本来の銀座高級クラブの基準に満たされているかどうかを考え、銀座のクラブとしてのプライドをもってお仕事に取り組んで頂きたいと思います。大概のことが、己にも原因はあるものです。