「お客様から口説かれる問題」の秘策
軽々しく口説かれたくないなら、まずは当たり前のことしてください
この商売をしている女性にとって、口説かれた経験は一度や二度ではないでしょうし、この問題と日々戦っているのではないでしょうか。しかしこの商売をしている以上、口説かれるという事実からは逃れられません。
口説かれてなんぼでしょ、というよくあるアドバイス
確かにその通りです。魅力がなければ口説かれません。しかしだからといって、日々口説かれていてはかなりのストレスになりますよね。口説かれてなんぼと言われたところで、それは何の根本的解決となっていません。
口説かれるにも種類がある
一口に口説かれると言っても、その種類は異なります。一つ目は、出会って割とすぐに口説かれるパターン。二つ目は、それなりの何度かあった後に口説かれるパターン。結論から言うと、どうせ口説かれるならば後者の方が絶対に良いです。何故ならば、何度かあった時間を共有した以上、そのお客様はあなたの人間性を気に入っている可能性が高いです。ということは、仮にその口説きに大して上手にかわし切れなかったとしても、男女関係ではない人間関係が継続していくことも大いにあるからです。これを私は、「口説き乗り越えパターン」と呼んでいますが笑 銀座のキャリアが長い女性は、10年来の付き合いのお客様が必ずいます。その方に話を聞いてみると、かなりの確率で過去に口説かれています。ただそれを乗り越え、今や最も人として信頼しあえる関係なことがほとんどです。とても素敵な関係ですよね。
出逢ってすぐ口説かれることの真実
結論、あなた安く見られてます。なめられています。
男性は女性が自分の席に来た瞬間、値踏みします。具体的には、そこにはお客様としての男性なりの大なり小なりなにかの下心はあると思いますが、その目的に向けて、この女性にはいくらお金がかかるだろうか、と本能的に値踏みします。これは女性にもありますよね、ホステスとしてのこの人はいくらくらい使えるのだろうか、と値踏み。それと一緒です。そして、出逢ってすぐ口説かれているあなたは、要するに、この女性を口説くためにはそこまでのお金は必要ない、と判断された、ということです。「男性って最低」とか「だから男ってキモイ」とかの声が聞こえてきてますが、ここでは現実から目をそらすのは辞めましょう。口説かれるたびに、男性キモイ論を展開ところで、どうせまた口説かれます。そしてだいたい病みます、仕事にならなくなります。お金なくなります。最悪です。かといって、そのすべてを切り捨てていては、限られたお客さんの数の中でのあなたのファンを増やせません。
男性の本能を変えるのは不可能、だったら変えれることを変えるしかない
まずは、あなたが安く見られている現実を理解して下さい。そして、「すごいいい女で口説きたいけど、金かかりそうなんだよなぁ」とか「口説きたいけど、うまいことかわされそうだなぁ」とか「ハードルの高そうな女性」と思わせる女性も沢山存在していることも理解して下さい。全ての解決方法を考えるには、まずは必ず現状の理解から始まります。
ホステスとしてどうこうってことも大事だが
高い服を着たり、ホステスとしての良いキャリアを積んだり、ホステスとしての所作を学んだり、人としての魅力を磨くことは確かに「ハードルの高そうな女性」への必須条件でしょう。ただ、これってどれもお金か時間がかかりますよね。これについては、今のお店のママやお姉さん達からゆっくり学んでいくのが一番良いでしょう。とくに、経験があまりないのに、急にプロのホステスっぽくなっても、あなたの良さが無くなることが多いので、ゆっくり、徐々にで大丈夫です。
ホステスらしさよりも数百倍大事なこと
それは、人間性です。もうなんの異論もなく人間性です。人として、当たり前のことができているか、です。その全てを記載するともはや切りがないので、とりあえず思いついたことを記載します。
・平気で遅刻する
・言っていることが毎回違う
・自分が筋通ってないくせに、「それが筋」が口癖
・言葉に品が無い
・人や店の陰口ばかりいう
・外見に関するうーっすいお世辞ばかり言う
・高い女ぶる
・男に買ってもらった戦利品の自慢が多い
書けば書くほど当たり前のことばかりなのですが、これの一部から全部ができてないから安く見られてるんです。まるで小学生のようなことを言いますが、同じことをあなたがプライベートの友達にされたら腹立ちませんか?
ただどれも別にお金もかかりませんし、少し工夫するだけでできそうなことばかりです。ちなみこの「人として」という考え方。お客さんへの営業だけでなく、お店や黒服との関わり合いでも重要ですよ。これできないとお店にもなめられます。それが嫌で違うお店に移ったとしても、またなめられます。なめられっぱなしです。そりゃ、仕事もうまくいきませんよね。
私は良い女だから許される
と思っている人、思ったことある人いませんか。ちなみに、「安い女」と見られがちな女性はこれ本当に思いがちです。以前こんなことがありました。
ホステスAの証言「客Bに高いブランドのバックを買ってもらった。私がご飯付き合ってあげたんだから当然だよね」
客Bの証言「すごいねだられて無理やり買わされた。本人には言ってないんだけど、最近面倒くさいんだよなー」
私はその場にいたわけではないので、どんなやり取りがあったかは分かりません。ただ一つだけ言えることは少なからずホステスAは「ハードルの高そうな女性」とは見られてないのでしょう。もしホステスAが「ハードルの高そうな女性」と見られていたとしたら、客Bはおそらく「Aに高いバックプレゼントしちゃったよー。あいつは金かかるなー。まあ、あいつだから仕方ないか」のようなニュアンスで語るはず、或いは何も言ってきません。
当然ながら客Bはまた来店するでしょう。「私は良い女だから許される」権利をもっているのは、「ハードルの高そうな女性」だけです。しかも不思議なもので、「ハードルの高そうな女性」は、そう腹の中で思っていたとしても周囲にそれを思わせない人間性をもっています、なので周囲から好かれます、また売れます。
ちなみに、男性の脳みそのお話
男性の脳みそは本能的に、「言わぬが勝ち」という考えをもっています。黙っとくことで、結果的にうまくまとまるならば黙っとくのが一番でしょ、という考え方。女性から言わせれば、よく言えば優しい、悪く言えば優柔不断、と表現できるのかもしれません。
よくネット上で、「はい、論破」みたいな論争が多いらしいですが、その8割が女性だそうです。こんな男性脳の仕組み上、女性に対して気になったことがあっても、言わなかったりします。そもそも別に嫁でもないし彼女でもないし言う筋もないですよね。誰かに何かを指摘するのは疲れますし、せっかく楽しく飲みにきてるのに雰囲気悪くしたくもないですし。結果、何も言わなくくせに、自分の中でなんか違うなと結論づけて突然飲みに来なくなります。女性からしたら、「いや何か気に入らないことなるなら言えよ」とか、「言ってくれれば変えれることは変えるけど」とか思いますよね、きっと。でもこれは生まれ持った本能なので、変えれません。なので、まずは男とはそういうもんだということを頭の片隅に置いておくことが良いでしょう。
人としてなんか好きと言われる人になれたら
人として当たり前のことをすることは、「安い女」脱却の必須条件です。さらに、もう一つ強力な効果を発揮します。前述の「口説き乗り越えパターン」に圧倒的に繋がりやすくなります。お客様からの口説きを何とかかわした後、お客様も男ですからまた次の対象を見つけるでしょう。でも人として好きという感情さえあれば、「こいつのことは口説けなかったけど、いいやつだからたまには顔見に行ってやるか」という感情変化となっていくことは自然な話でしょう。一方で、人として当たり前のことができていない人は、そもそも見た目がタイプ、なんかエロそう、ハードル低そう、のような程度の感情で口説いてますから、口説けなかったら二度と飲みにきません。見た目がタイプだけなら銀座中沢山います。女性からすれば、そんな軽々しい理由で口説くなと思われるかもしれませんが、そこはお客様はお客様の立場で物を語るわけであって。この商売に関わらず、全てのビジネスが綺麗ごとだけでは語れないですよね。
軽々しく口説かれたくないなら、まずは当たり前のことしてください
「安い女」に見られて得することなんて一つもありません。そして、もっと重要なこと。人と当たり前なことができている女性は、プライベートとしても幸せになっていることが圧倒的に多いです。よく考えれば当然です。プライベートでの幸せ、例えばそれが結婚だとするならば、お客様よりも旦那候補の人の方がより人間性をじっくり見てるに決まってますよね。
この業界って、凄い煌びやかで楽しい街だと思いますが、一方で油断すると全ての感覚を間違わせる業界でもあります。私どもは、仕事なんてプライベートを謳歌させるためのただの武器の一つ、程度としか考えてないので、絶対にその感覚を忘れてはならないと常に気を付けています。是非皆さんも参考までに。